参議院議員補選 2003/04/27

 

有権者 2,379,557人  確定投票率 39.61%

岡田  広  自民  新    717,140  56

小島  修  共産  新       172,455  40

 

朝日新聞 4/27

岡田氏が初当選

    久野恒一氏(自民)の死去に伴う参院茨城選挙区の補欠選挙(被選挙数1)は27日投開票され、自民新顔で前水戸市長の岡田広氏(56)=公明、保守新推薦=が、共産新顔で党県書記長の小島修氏(40)を破り、初当選した。発足後2年たった小泉内閣の経済政策やイラク戦争への対応などを争点にした自共一騎打ちを制し、自民議席を引き継いだ。

岡田氏は擁立が決まった1月末から、県市長会や県農協政治連盟など約250団体の推薦を受けて態勢を整え、市長辞職後の3月20日から本格的に動き出した。
  県議や市長経験を生かし、地方の声を国政に反映させると主張。知名度が比較的低い県南、県西地区を重点的に回り、景気・雇用対策や人づくりなどを中心に訴えた。選挙戦中盤の20日には小泉首相も応援に駆けつけるなど、党や支援団体の組織力を見せつけ、圧勝で短期決戦をものにした。
  当選した岡田氏の任期は04年7月25日まで。民主現職の郡司彰氏とともに、約1年3カ月後に改選される。

 

読売新聞 4月12日

参院茨城補選両候補の横顔 

岡田 広さん 56 自民 新(公明、保守新推薦
 ◆国体の司会したことも 

「人生はすべて縁。人との出会いがすべてです」が口癖だ。

 政治の世界に身を置くようになったのも縁抜きには語れない。大学時代に帰省した故郷は、知事選で盛り上がっていた。「ほかのアルバイトよりも給料が良い」と、当時の岩上二郎知事の選挙事務所で働いた。

 大学卒業後、タクシー会社に勤めていたが、岩上氏の妻の妙子氏が参院選に立候補した際に、「秘書にならないか」と誘われ、政治の世界に飛び込んだ。

 秘書を約十二年間務めた後、県議二期七年を経て、水戸市長選に当選。市長や知事になるために国会議員を辞める政治家も多い時代。三期約十年の安定期を迎えた県都の市長職をなげうっての出馬には、「なぜ」の声も上がるが、「地方の声を国政に届けたい」との決意は揺るがない。

 趣味は千波湖周辺のランニング。子供のころの夢はアナウンサーで専門の養成学校に通ったほど。一九七四年の茨城国体のオープニングセレモニーでは、公募に応じ、司会役を射止めた。二十歳代の時は資金をためては、世界各地を旅行したユニークな経験も持つ。

 妻(47)と長女、二女、二男との五人暮らし。

 
小島修さん
40 共産 新

 ◆祭り好きの陽気な一面

 国政への挑戦は一九九六年衆院選、九八年参院選に続き三回目になる。「日本共産党だからこそ、現代の地方政治、国政の流れを変えることが出来る」と信念は固い。

 下妻一高卒業と同時に入党。立命館大文学部入学後も、学部の自治会活動や民青同盟の活動に打ち込んだ。自分の力で世の中を変えていきたいと、大学卒業後も党活動に専念、政治の道を志した。

 今回の選挙戦では、イラク戦争への反対を強く訴える。高校時代、広島の平和記念資料館で、投下された原爆によって大理石の階段に残された人間の影を見て戦争のむなしさを知り、平和への思いを強くしたという。大学で歴史を専攻したきっかけも広島の体験で、反戦思想は、政治家を志す自身の原点と語る。

 政治活動一筋のまじめ人間だが、祭り好きの陽気な一面も。特技はおはやしの横笛。スポーツマンだが、最近は体を動かす機会が少ないのが少々不満。

 妻(45)と長女(5)の三人家族。「家族の健康が一番大切」と、頼もしい父親の顔も見せる。長女を市民プールに連れて過ごす、休日の家族サービスが心やすらぐひとときという。

 

(毎日新聞)  [4月12日19時4分更新]

[選挙]
参院補選 立候補者の横顔 岡田広氏/小島修氏
 

 参院補選は10日告示され、17日間にわたる選挙戦に突入した。

自民公認の岡田広候補(56)=公明・保守新推薦▽共産公認の小島修候補(40)はどんな人物なのか。政策を交えながら、2人の横顔を紹介する。(届け出順) 

◇自ら歩いて要望を聞く−−岡田広氏 (56) 自新
 「御用聞き政治」が信条。「机の上の仕事は苦手」と言い、自ら歩いて有権者の要望を聞き出す。出馬会見では「水戸黄門の漫遊みたい」とおどけて見せた。
 生まれ、育ちとも水戸市。県議2期7年、市長3期10年を務め、自他ともに認める地方自治のプロ。市長の任期半ばでの出馬に悩んだが、最後は家族の協力も得られ、決意した。「地方主権という考えで、これまでの経験を生かしたい」との言葉に、もう迷いは感じられない。
 政治との出合いは、「ほかのアルバイトより給料がいいから」と飛び込んだ岩上二郎知事の選挙事務所。その後、参院議員となった夫人も含め、秘書生活は12年に及んだ。水戸市を中心とした県央地域での知名度は高いが、これまではなじみのなかった県南、県西地域で、保守票の掘り起こしに全力を尽くす。
 趣味は野球、マラソン、ボウリング。朝、千波湖を周回するジョギングを日課としてきたが、2月から中断している。「選挙が終わったら、また走りたい」。家族は妻と2男2女。【宋潤敏】
 

◇口利き政治からの脱却−−小島修氏 (40) 共新
 県立下妻一高時代にラグビーで鍛えた178センチ、100キロの体から、力強い言葉があふれ出す。「自民党政治が行き詰まった中での戦い。共産党を敬遠していた層にも、筋の通った政策で支持を広げられるはず」。イラク戦争の即時停戦、口利き政治からの脱却、医療費負担引き上げの撤回などを訴える。
 高校の修学旅行で広島市の原爆資料館を訪れ、人の影だけが残る大理石を見て衝撃を受けた。卒業とともに共産党入り。「戦争は人間の存在をなくす。どうしたら起こらないのか」と考え、立命館大で歴史を学び、平和運動に加わった。
 「日本はイラク戦争にノーと言って存在感を示す機会を逃した。共産党だから裏切らない、という有権者からの手応えを感じている。自民党政治を大本から変え、新しい流れを作っていきたい」
 父真さんは共産の元下妻市議で、副議長も務めた。妻子とカラオケに行き、5歳の娘と中島みゆきの「地上の星」を歌うのが楽しみだ。家族に話を向けると、真剣な表情が一変し、笑みがこぼれた。【長野宏美】