偕楽園臨時駅の廃止見送り (東京新聞 5/17)

 JR常磐線の偕楽園臨時駅(水戸市)の存廃問題で十六日、JR東日本の久保隆男水戸支社長は「廃止の方向で検討を進めていたが、当面廃止を見送る」と述べた。江戸開府四百年を記念し七月十五日には同駅を臨時開設し、水戸市内の観光地をめぐるハイキング「水戸黄門の育った街水戸を歩く」を実施する。

 同駅は、駅員の配置などで経費がかさむことや利用者の減少などから一九九九年一月に廃止論が浮上し、県や水戸観光協会などが存続を求めていた。

 記者会見した久保支社長は「地元と一緒に水戸の大きな観光スポットを盛り上げる責務がある」と述べた。今年は「水戸の梅まつり」に合わせ約千五百万円をかけて同駅を改修、利用者は昨年の約四万四千人を上回る約四万八千人だった。

 水戸観光協会の武藤光男専務理事は「改修工事をしていたので、廃止はないと思っていたが、存続になってよかった」と話した。

 ハイキングは、JR東日本管内で徳川家ゆかりの地を歩く全八回の記念行事の一環で、同駅をスタート地点に、市内の別春館や常照寺など八キロのコースを歩く。

 参加費は無料で記念品が贈呈される。募集人員は千五百人。問い合わせは同社「駅からハイキング事務局」=電03(5447)0973=へ。

  (荒井 六貴)  東京新聞