◆水戸市泉町南地区再開発 県が事業計画認可

京成百出店、05年開業へ

 県は十一日、水戸市の泉町一丁目南地区市街地再開発組合が申請していた旧ボンベルタ伊勢甚ビル周辺の再開発事業計画を認可した。同市も旧伊勢甚ビルの解体費を含む事業費九億七千百万円を盛り込んだ補正予算案を九日開会の市議会に提案。早ければ十二月にもビルの解体が始まる。再開発ビルには水戸京成百貨店の出店が決定し、二〇〇五年十月にも県内最大のデパートが開業する。

 県の認可が下りたことで、県都の中心市街地の求心力回復をかけた再開発事業は、着工に向けて大きなヤマを越えた。

 計画によると、旧伊勢甚ビル跡地を含む約一・七fに、同組合が地下二階地上十階建て、延べ床面積約七万八千百平方bの再開発ビルを建設。核店舗として水戸京成百貨店が移転、出店する。売り場面積は約三万四千平方bで、水戸駅北口前のマイム、つくば市のクレオを抜いて県内最大。旧ボンベルタ伊勢甚水戸店と現在の水戸京成百貨店の店舗面積を合わせた規模の大型デパートが誕生する。

 総事業費は約百七十八億円。うち国、県、市が約六十八億円を補助金や周辺の道路整備費として支出する。

 一方、水戸京成百貨店の親会社の京成電鉄(東京)は十一日までに役員会を開き、再開発ビルの保留床の一部を取得し、水戸京成百貨店に賃貸することを正式決定した。

 泉町一丁目の再開発構想は一九九〇年の水戸芸術館開館を契機に動きだし、九三年に南地区再開発推進協議会が発足。足かけ約十年で念願の開業の見通しが立った。

 今後の焦点は現在水戸京成百貨店のある北地区再開発の具体化に移る。現店舗を所有する京成電鉄は、「新百貨店の開業と同時に現店舗は閉店する。その処分方法は北地区再開発を想定する中で検討している」としている。

 北地区の地権者は六月、再開発準備組合を設立し年度内の事業計画案策定を目指している。

茨城新聞 http://www.ibaraki-np.co.jp/


 

読売新聞 9月14日付
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/

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◆時の眼・巨大商業施設に揺れる県都
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水商連 「商店街なくなる」
市内中心部の商店街に張られたメガモール計画反対のビラ

 水戸市笠原町の県庁近くに計画されている国内最大級の複合商業施設「(仮称)水戸メガモール」を巡り、水戸駅周辺の商店主を中心に、商店街空洞化への危機感が募っている。一方で、市南部の都市基盤整備を進める起爆剤としての期待も大きい。巨大商業施設の投げかけた波紋を追った。(竹井 陽平) 

 「水戸メガモールが完成したら、この町から商店街がなくなります」――。水戸駅から北西に伸びる国道50号線沿いの商店街を中心に、メガモール計画の中止を求める黄色の短冊状のチラシが目立ち始めたのは八月初め。市内三十五の商店街でつくる市商店会連合会(水商連)が始めた計画反対運動の一環で、賛同者に約三千枚が配布された。 

 メガモールは市内の不動産会社と総合商社「日商岩井」が県庁近くの約三十一ヘクタールに計画している巨大商業施設。大型スーパーとシネマコンプレックスを核に、約二百店の専門店街を備え、二〇〇五年春の開業を目指している。店舗面積は約七・四ヘクタールで年間売り上げは三百億円を見込む。 

 計画の詳細が明らかになった七月末以降、水商連は、「中小商店約五百店が閉店に追い込まれる」として署名活動などに乗りだした。水商連の大橋章専務理事は「市中心部の商店街が衰退したら、交通網や病院など社会基盤の沈下を招く。もはや商店街だけの問題ではない」と指摘する。一九九〇年に千四百八十店だった水商連の加盟店は二〇〇一年には千百六十四店と三百店以上減っており、現状への危機感は強い。 

 しかし、メガモールが建設される地元の笠原町周辺の住民は、「メガモールの完成で、市南部の都市基盤整備に弾みがつく」と熱い視線を向ける。今月初めには、二千人分の署名を集め、計画推進を訴える請願書を小圷和男・水戸市議会議長に提出した。 

 日商岩井は、東京方面に出掛けていた買い物客を呼び戻すため、水戸市の商圏人口が約六十二万人から百万人に増大すると試算。「パイ全体が大きくなり、市内の商店街にとってもチャンスになるはず」とそろばんをはじく。同社は、水戸駅と県庁周辺、さらに駅の北側の商店街を結ぶワンコインバスを走らせる計画で、「回遊性を持たせることで、市中心部の商店街にも客は来る。完全に競合しないとは言えないが、共存共栄を図りたい」と話す。 

 県知事が、大規模土地開発の許認可権を持つが、交通渋滞対策や周辺の環境への影響について、関係自治体の長が県知事に提出する意見書も計画を左右する。加藤浩一・水戸市長は「議会や商工会議所の意見を聞いた上で判断したい」と慎重な姿勢を崩さず、「年度内の意見書の提出は難しい」と話しており、当初予定されていた二〇〇五年春の開業は難しい状況だ。 

 市中心部には、京成百貨店が移転、県内最大のデパートとして生まれ変わる計画も進行しており、新たな商業地図をめぐる動きが激しさを増しそうだ。

読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ibaraki/

 


朝日新聞 http://mytown.asahi.com/ibaraki/

水戸市泉町再開発で京成百貨店 
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 2月に閉店した水戸市泉町1丁目の旧ボンベルタ伊勢甚跡地(約1.7ヘクタール)の再開発計画で、事業主体の「泉町1丁目南地区市街地再開発組合」と、国道50号の北側から移転し出店予定の水戸京成百貨店が12日、事業計画を発表した。

 売り場面積は現在の同百貨店の3倍近くに拡大。「世界や東京と同じブランドをそろえ、専門性と独自性で、本格的な都市型百貨店を目指す」という。

 再開発は国道50号を除く三方の道路を拡幅し、地上9階、地下1階の店舗棟と620台収容の駐車場棟を建てる。新店舗棟の延べ床面積は5万7千平方メートルで、つくば市の「クレオ」を抜き県内最大。売り場面積は3万4000平方メートル。従業員数も現在の850人から2千人に増える。

 国道50号に面した入り口付近には、地上3階まで吹き抜けになった、公園のような空間にする。「買い物だけでなく、人が集う場所に」との狙いがある。また、新店舗と駐車場棟の間には、幅約5メートルで24時間通行可能なパッサージュ(歩道)を設ける。

 新店舗は1フロア3千平方メートルの売り場面積の広さを生かし、ゆとりある店作りによって幅広い客層を取り込む考えだ。同百貨店は、北は高萩市、東は鹿嶋市、南は石岡市、西は岩瀬町までを商圏とし、その人口は約130万人と見積もった。

 12月に着工し、05年10月開業を目指す。初年度売り上げ目標は300億円。同店の松村修専務は「中心市街地活性化の先駆けとしたい」としている。

 水戸市内では県庁に近い笠原町で、大型商業施設「水戸メガモール(仮称)」の計画もある。これに対し、松村専務は「業態も客層も異なるため、十分に差別化が可能だ」と話した。

 市都市計画課によれば、同区域内の地権者は伊勢甚を含めて15者。今後、現在持つ権利に応じて新店舗の「権利床」の割り当てを受けるか、転出するかを決める。同区域に現在ある商店が新店舗内に入るかは決まっていない。

 水戸京成百貨店の親会社の京成電鉄は10日、組合と、新店舗棟の半分弱を買い取る協定を締結。今後、同百貨店は新店舗の残る権利者と賃貸契約などを結ぶことになる。

 一方、現店舗周辺の約0.8ヘクタールでも、「北地区」の再開発計画がある。ただ、同地区は6月に準備組合ができたばかりで、準備組合に入っていない地権者もいる。

 また、施設の規模や種類なども、まだ決まっていない。しかし、同百貨店は「北地区の跡地問題と南地区出店は別と考えている」とし、北地区の遅れによる新店舗への影響を否定した。

朝日新聞 http://mytown.asahi.com/ibaraki/


常陽新聞http://www.joyo-net.com/

●核店舗に京成百貨店 
水戸市泉町再開発の概要発表 

 水戸市の泉町一丁目南地区再開発が、 県に事業認可され、 同地区市街地再開発組合 (内田泰正理事長、 組合員十二人) は概要を公表した。 核店舗は水戸京成百貨店 (大圃哲生社長) が移転。 地域一の規模、 本格的都市型百貨店を目指し、 中心商店街再生の起爆剤と期待される。
 
 再開発ビルは地上十階、 地下二階で、 京成が地上九階ー地下一階を使用。 保留床と、 地権者の所有する権利床を合わせ、 売り場面積は約三万四千平方bに及び、 現在の二・五倍以上で、 旧伊勢甚を合わせた面積より大きい。
 
 松村修専務は 「全ての年代、 ライフステージをカバーする。 フルラインナップ、 フルターゲットの本格的都市型百貨店」 を強調。 広い売場面積を背景に、 高級ブランドをそろえて、 本格的な百貨店への回帰を目指す。 

 地下一階は生鮮食料品、 一―四階は婦人服や雑貨、 五階が紳士服、 六階が家庭用品、 七階が子供服、 八階がテナントとなる専門店、 九階がレストラン街となる。 棟続きの駐車ビルに、 六百二十台分を確保した。 

 オープンは二〇〇五年十月を予定する。 十二月にも旧伊勢甚を取り壊して着工。 内原町のイオン、 市内笠原町のメガモールなど、 周辺地域の大型店に対抗するため、 競合店より早い開店を目指し、 泉町・大工町再生の先導役とする考えだ。
常陽新聞http://www.joyo-net.com/